映画「去年の夏、君と別れ」レビュー

タイトルを見て、恋愛映画なのかと思ったのは僕だけではなかっただろう。

原作は中村文則の小説。

 

「教団X」など数々のヒットを放つ作家の作品であることから世間的な期待度は高かったはずだが、僕はといえば原作も読んでいないし、事前情報もキャッチしないで映画を見に行ったので、その面白さは全く未知数といったところ。

 

主人公はEXILEの岩田剛介が演じるフリーライター耶雲恭介。週刊誌の編集部に話題の写真家である木原が関わった、ある事件に関するネタを持ち込み、取材を始めるところから物語はスタートする。

木原の事件とは盲目の女性をモデルとして撮影を行っていた際に、セットの蝋燭が倒れ火事が発生し、モデルが焼死してしまったというものである。後に木原は逮捕されるものの嫌疑不十分で釈放されている。

この事件に関するネタというものは、焼死していくモデルを木原が撮影していたネガがあるというもの。ネガがあるとすると既に炎のまわりが速く、助け出せなかったという証言が嘘になる。

 

主人公は木原の周囲の人たちに会って証言を集めて行くこととなり、同時に木原にも接近。すぐに気に入られ、自由に彼のスタジオに出入りできるようになる。

途中大きな転換点となるのが、周囲の人物の証言の中に、木原は必ず他人の恋人を欲しがるという話が出てくるところや、主人公に恋人がいる点を木原に気づかれるという点である。

当然木原はその恋人のことをしつこく聞いてくる。

 

映画を観た感想だと、この辺りから大きく映画のスピード感がUPし、楽しくなってきたように思う。

同時に感じるのは、果たして去年の冬、誰が誰と別れたのかという点。主人公には婚約者がいるし去年の冬というのもどうも符合しない。

 

そういう思いを感じながら物語はいきなり第3章を告げる。

アレ?僕1~2章寝てましたっけ?

 

ぜひ劇場で見て欲しい作品。